全てのビジネスにリスクがあります。
人を雇うこともリスクを伴いますし、不動産購入にもやはりリスクはあります。まして新規事業はリスクの塊のようなものです。が、経営者は果敢にこれらに取り組みます。その同じ経営者が、何故か、「M&Aはリスクがあるから怖い」的な発想で、M&Aを遠ざけようとします。
むしろ、M&Aはリスクの所在がある程度決まっているので、そこをしっかり押さえておけば、畏れることはない、と私どもは考えています。
M&Aには「買い」と「売り」がありますが、従来は買主のリスク面が強調されてきたように思われますが、昨近は例のルシアン事件に端を発する「不適切な買主」に関する売主のリスクに注目が集まりました。
買主のリスクについては他のサイトでもサンザン記載されていますので、ここではM&A、特にスモールM&Aの売主サイドで留意すべきリスクについて述べます。
スモールM&Aの「売主」を食い物にする買主

「売主」がM&Aにおいて最も留意すべき点は「買主」だと、私は考えています。
従来、M&Aの世界では、買主の属性・信用力については、それ程注意深く調査しないケースが多かったようですし、むしろ「買っていただく」と言うことで、必要以上に忖度しているケースも見受けられました。
しかし、その間隙を縫って詐欺・犯罪まがいの事例が起こっているのも事実です。
私どもが把握している不芳(不適切)な買主のパターンは大きく分けて2つです。
1つは、これまでも本ブログで何度か採り上げた詐欺紛い、所謂「吸血型M&A」のケースです。
このケースは更に細分化され、売主の現状から「後継者不在型」と「業績低迷型」に分かれます。
(詳細は下記の「リンク欄」をご参照ください)
今、1つは、所謂「乗っ取り」を想起させる事例です。
この事例の典型パターンは下記のとおりです。
① イントロ 資金調達・業績不振他で悩みのあるオーナー(経営者)に近親者(*)が言葉巧みに接近。
② 救世主登場 近親者が資金提供者(救世主?)を紹介
③ 取引成立 結果的に市場比安価な価格でオーナーから救世主(?)に経営権(株式)が譲渡される
④ いつのまにか 救世主(?)は当該企業から消え、気がついたら近親者(もしくは近親者の関係者)が経営者に…
⑤ おそらく 近親者と救世主はグルであり、経営権を入手したら最初から譲渡する約束になっていた
*:近親者 当初の経営者の身内(親族等)、取引先(仕入・販売先)等、当該企業の現状に明るい人物
稀に、M&A支援業者(特に仲介)。縷述のとおり、M&A支援に許認可、免許は不要、でしたね。
従来、M&Aの世界では、買主の属性・信用力については、それ程注意深く調査しないケースが多かったようですし、むしろ「買っていただく」と言うことで、必要以上に忖度しているケースも見受けられました。
しかし、その間隙を縫って詐欺・犯罪まがいの事例が起こっているのも事実です。
私どもが把握している不芳(不適切)な買主のパターンは大きく分けて2つです。
1つは、これまでも本ブログで何度か採り上げた詐欺紛い、所謂「吸血型M&A」のケースです。
このケースは更に細分化され、売主の現状から「後継者不在型」と「業績低迷型」に分かれます。
(詳細は下記の「リンク欄」をご参照ください)
今、1つは、所謂「乗っ取り」を想起させる事例です。
この事例の典型パターンは下記のとおりです。
① イントロ 資金調達・業績不振他で悩みのあるオーナー(経営者)に近親者(*)が言葉巧みに接近。
② 救世主登場 近親者が資金提供者(救世主?)を紹介
③ 取引成立 結果的に市場比安価な価格でオーナーから救世主(?)に経営権(株式)が譲渡される
④ いつのまにか 救世主(?)は当該企業から消え、気がついたら近親者(もしくは近親者の関係者)が経営者に…
⑤ おそらく 近親者と救世主はグルであり、経営権を入手したら最初から譲渡する約束になっていた
*:近親者 当初の経営者の身内(親族等)、取引先(仕入・販売先)等、当該企業の現状に明るい人物
稀に、M&A支援業者(特に仲介)。縷述のとおり、M&A支援に許認可、免許は不要、でしたね。
買主とその条件は、ここをチェックしましょう

売主が行う買主に関するDD
買主の「本人及び事業確認」については、前記のリンクでも触れました。
ここでは、それ以外のものを。
1.購入原資確認
書面調査だけでなく、最終的には、極力現地調査・通帳/残高証明書等のエビデンスを本人・事業確認と併せて、極力実施しましょう。
今般、ガイドラインでも申告書等財務状況のチェックが明文化されました。
特に買収原資については具体的に詰めることがトラブル防止上も不可欠です。
--手元現金なのか、借入なのか、はたまた別の資金源か …
決算書から見て、当該資金調達が可能なのか? と言う観点からのチェックも可能です。
手に余るようでしたら、私どもにもお声をおかけください。
2.購入価格にご用心
通常の場合は買い叩かれます。
しかし、後継者難先で業績が良い≒現預金が豊富な先に対して詐欺を仕掛けるケースでは:
相場または期待以上の金額、競合先を大きく凌駕する金額の提示
これが彼らの常套手段です。
詐欺を働く連中は、あなた(売主)を提示価格で喜ばせ、嬉しくなったあなたは売主をすっかり信頼してしまいます。
そして、同時に高価格提示することで他の競合先を蹴落とそう(諦めさせよう)とします。
どうせ、全額を払う積りはないのですから、彼らはドンドン値を吊り上げてきます。
3.クロージング時の同時履行の大原則
絶対に譲ってはいけない取引条件
(広義の)譲渡金額と権利移転は同時履行が大原則。
特に譲渡代金の分割、後払いでのトラブル多発。
過去に譲渡金額を株式代金、役員退職金と分割され、金額の大きい後者の支払いを1週間~1か月後にズラし、権利移転の方は先行させ、後者はついに支払われなかった事例が発生。
註:アーンアウトEarn Out 条項:分割払いの一種だが、予め決められた収益指標等の達成状況に応じて、追加的に支払うことが本質で
あり、上記分割払いとは次元が異なるもの。
少しでも不自然な点があれば、安易に妥協・許容せず、勇気をもって、そこで交渉・作業は一旦停止すべきです。
PS
私どもでは、万一、結果的に不適切な買主との譲渡に応じた場合にも現状復帰出来る旨の条項を入れた譲渡契約書(DA)のひな型を用意しております。
買主の「本人及び事業確認」については、前記のリンクでも触れました。
ここでは、それ以外のものを。
1.購入原資確認
書面調査だけでなく、最終的には、極力現地調査・通帳/残高証明書等のエビデンスを本人・事業確認と併せて、極力実施しましょう。
今般、ガイドラインでも申告書等財務状況のチェックが明文化されました。
特に買収原資については具体的に詰めることがトラブル防止上も不可欠です。
--手元現金なのか、借入なのか、はたまた別の資金源か …
決算書から見て、当該資金調達が可能なのか? と言う観点からのチェックも可能です。
手に余るようでしたら、私どもにもお声をおかけください。
2.購入価格にご用心
通常の場合は買い叩かれます。
しかし、後継者難先で業績が良い≒現預金が豊富な先に対して詐欺を仕掛けるケースでは:
相場または期待以上の金額、競合先を大きく凌駕する金額の提示
これが彼らの常套手段です。
詐欺を働く連中は、あなた(売主)を提示価格で喜ばせ、嬉しくなったあなたは売主をすっかり信頼してしまいます。
そして、同時に高価格提示することで他の競合先を蹴落とそう(諦めさせよう)とします。
どうせ、全額を払う積りはないのですから、彼らはドンドン値を吊り上げてきます。
3.クロージング時の同時履行の大原則
絶対に譲ってはいけない取引条件
(広義の)譲渡金額と権利移転は同時履行が大原則。
特に譲渡代金の分割、後払いでのトラブル多発。
過去に譲渡金額を株式代金、役員退職金と分割され、金額の大きい後者の支払いを1週間~1か月後にズラし、権利移転の方は先行させ、後者はついに支払われなかった事例が発生。
註:アーンアウトEarn Out 条項:分割払いの一種だが、予め決められた収益指標等の達成状況に応じて、追加的に支払うことが本質で
あり、上記分割払いとは次元が異なるもの。
少しでも不自然な点があれば、安易に妥協・許容せず、勇気をもって、そこで交渉・作業は一旦停止すべきです。
PS
私どもでは、万一、結果的に不適切な買主との譲渡に応じた場合にも現状復帰出来る旨の条項を入れた譲渡契約書(DA)のひな型を用意しております。
経営者保証解除のポイント

さて、売主の(スモール)M&Aにおける、もう一つの最大の問題点が「経営者保証の解除」です。
詐欺、乗っ取りに限らず、(金融機関借入についての)経営者保証解除問題はスモールM&Aでは不可避の問題です。
各立場による考え方・スタンス:
売主:M&Aにより企業経営から身を引いて、経営に関与出来ない以上、個人保証は今後は負うことは出来ない。したがって保証は解除して欲しい。
買主:過去の積み上げにより会社の今日がありますよね。「以後は任せた」と言われても、自ずと限界はあります。
(特に赤字がある場合)買うことは買うけど、ある程度の(赤字の)責任はとってもらいたいものですね。
そもそも、保証なんて引受けたくないのが本音。
金融機関:「経営者責任」(私がきっちり経営して借入は返します)の観点で経営者に保証いただいている。
そもそも自分が保証できない、責任もたないものに対し、第三者に「カネを貸せ」と要求するのはムシが良くありませんか?
一部に見られる、企業の財務面・体力面を毀損させておいて、あたかも逃げ出すような旧経営者のスタンスはいかがなものでしょう。
本音で言えば、保証人の個人資産は勿論、アテにしています。
前の経営者の方が資産がたっぷりあるケースも少なくない場合、必ずしも、新経営者にシフトしなければならないものでもないでしょう。
勿論、買主候補はM&A成立前は、第三者に過ぎないので、売主についての守秘義務の観点から、売主の各種情報及びそれらに関するコメントも表明出来る訳がありません。
さて、本件については、日本商工会議所と全銀協が協働で作成した「ガイドライン」があります。
ポイントは下記3点
・法人個人の一体性の解消
・財務基盤の強化
・財務状況の適時適切な情報開示
また、これには更にM&A版(事業承継特則)もあります。
①前経営者、後継者の双方からの二重徴求の原則禁止
②後継者との保証契約は、事業承継の阻害要因となり得ることを考慮し、柔軟に判断
③前経営者との保証契約の適切な見直し
④金融機関における内部規定等の整備や職員への周知徹底による債務者への具体的な説明の必要性
⑤事業承継を控える事業者におけるガイドライン要件の充足に向けた主体的な取組みの必要性
いずれにせよ、間違えてはいけないのは、経営者保証は金融機関と売主(経営者・保証人)との契約であり、買主・売主間で決めても金融機関には拘束力は及びません。
あくまで金融機関と現在の保証人の合意形成が必要不可欠です。
私どもはM&A成約がほぼ確実となった段階で、買主・売主・金融機関及び支援事業者が一堂に会し、互いに守秘義務を解除した上で、当該打合せに関する新たな守秘義務を課す対応をしております。
詐欺、乗っ取りに限らず、(金融機関借入についての)経営者保証解除問題はスモールM&Aでは不可避の問題です。
各立場による考え方・スタンス:
売主:M&Aにより企業経営から身を引いて、経営に関与出来ない以上、個人保証は今後は負うことは出来ない。したがって保証は解除して欲しい。
買主:過去の積み上げにより会社の今日がありますよね。「以後は任せた」と言われても、自ずと限界はあります。
(特に赤字がある場合)買うことは買うけど、ある程度の(赤字の)責任はとってもらいたいものですね。
そもそも、保証なんて引受けたくないのが本音。
金融機関:「経営者責任」(私がきっちり経営して借入は返します)の観点で経営者に保証いただいている。
そもそも自分が保証できない、責任もたないものに対し、第三者に「カネを貸せ」と要求するのはムシが良くありませんか?
一部に見られる、企業の財務面・体力面を毀損させておいて、あたかも逃げ出すような旧経営者のスタンスはいかがなものでしょう。
本音で言えば、保証人の個人資産は勿論、アテにしています。
前の経営者の方が資産がたっぷりあるケースも少なくない場合、必ずしも、新経営者にシフトしなければならないものでもないでしょう。
勿論、買主候補はM&A成立前は、第三者に過ぎないので、売主についての守秘義務の観点から、売主の各種情報及びそれらに関するコメントも表明出来る訳がありません。
さて、本件については、日本商工会議所と全銀協が協働で作成した「ガイドライン」があります。
ポイントは下記3点
・法人個人の一体性の解消
・財務基盤の強化
・財務状況の適時適切な情報開示
また、これには更にM&A版(事業承継特則)もあります。
①前経営者、後継者の双方からの二重徴求の原則禁止
②後継者との保証契約は、事業承継の阻害要因となり得ることを考慮し、柔軟に判断
③前経営者との保証契約の適切な見直し
④金融機関における内部規定等の整備や職員への周知徹底による債務者への具体的な説明の必要性
⑤事業承継を控える事業者におけるガイドライン要件の充足に向けた主体的な取組みの必要性
いずれにせよ、間違えてはいけないのは、経営者保証は金融機関と売主(経営者・保証人)との契約であり、買主・売主間で決めても金融機関には拘束力は及びません。
あくまで金融機関と現在の保証人の合意形成が必要不可欠です。
私どもはM&A成約がほぼ確実となった段階で、買主・売主・金融機関及び支援事業者が一堂に会し、互いに守秘義務を解除した上で、当該打合せに関する新たな守秘義務を課す対応をしております。